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春探し
[2005/04/15 23:58] 生活・自然
「お母さん、はこべ採りに行こう」
娘の声かけでうららかな春の空気の中に出た。

千曲川の川岸に行くとたくさん生えているんだけど、そこまで行く時間がなかったので裏の畑に行ってみた。

家の近くはいわゆる「町なか」だ。だから表通りはビルと店がざわついている。でも、もともとは畑だらけだったところなので、家の裏にはまだほんのちょっと畑が残っている。

家は表通りに面しているのでほとんどまわりはアスファルト。
はこべのハの字も見あたらないし、季節感もほとんど無い。
でも、裏にまわると小さいながらも畑のまわりには「春」が息づいていた。

オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ。
ナズナに、お目当てのはこべ。

むらさき、ブルー、黄色に白。小さいながらも一面に色とりどりの小さい春たちが咲き誇っていた。

ああ、忘れてたなぁ、この「春」の姿。
小さい頃は、水田に囲まれて育ったので他にもセリつみやつくし採りにも行ったっけ。

田んぼやそばの小川にはドジョウとかオタマジャクシとかタガメとかが泳いでいて、足音に驚いて水音たてていたっけ。

そんな小さな仲間たちがごく当たり前に近くにいた。
「春」を感じるものたちが苦労しなくても自然と頭の中に浮かんできた。




・・・一昨日、娘の国語の宿題は、「春を感じるもの」という題での春探しだった。娘は夜遅くまで「書けない」と言って悩んでいた。ノートを見ると春の草、春にやること、春のもの、などのテーマが書いてあるが、それぞれの項目に2~3個しか書けていなかった。

困った娘がとった手段はインターネットでの検索だった。

なんだかものすごくショックだった。春を感じるもの、春の草花、あふれるほど浮かんでくる私からしたらネットからの情報としてしか春を感じられない娘がものすごく寂しくて悲しくて、かわいそうで・・・。

今まで、できるだけ自然や草花や生き物に触れる機会を作ってきたつもりだった。でも、娘にとっては「自然に触れたもの」じゃなくて与えられたものでしかなかったんだね。まわりになかなか春を感じるものがないこの環境も悲しかったし、どんな小さな命でも春の息吹があることを感じていなかった娘に、それを伝えられなかった私自身振り返って反省した。




「はこべ採りに行こう」

娘の呼びかけは嬉しかった。
去年の春、千曲川の川辺を散歩した時に、「この草は、鳥が大好きなんだよ」と教えて飼っているインコたちのおみやげに採っていったら勢いよくみんな食べていたのが印象的だったらしい。

「春になると、鳥が好きなはこべが出てくる」、その印象は娘の中には残っていたらしい。国語の宿題の「春の草花」にも、はこべの名前は書いてあった。

一緒に裏の畑を歩きながら「オオイヌノフグリがきれいだね」「ヒメオドリコソウが咲いてるよ」・・・ちょっとした春体験。

そして、鳥の大好きなはこべを根っこごと持って帰って家のプランターに植え込んだ。娘の計画では、はこべを自家生産して鳥にいつでも新鮮なものをあげられるように、ということらしい。

小さな春の息吹が、我が家に運び込まれた。
根付くといいな。
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