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  2008年04月  

             
「教師」は、やめました。
[2008/04/01 11:34] ひとりごと
身近な人たちはもう知っている人がほとんどでしょうけれども。
わたしは「教師」を、辞めました。
3月31日付で、退職です。

この仕事に携わってから、たくさんの生徒と出会いました。
たくさんの先生方とも出会いました。
たくさんたくさん悲しい思いやつらい思いをしました。
だから、うつという病気にもなりました。

けれども。
ネットの上で、演奏会で、いろんな場所で偶然再会した昔の教え子たちからは、「先生と一緒に音楽やって楽しかった」とか、「先生の授業で音楽が好きになった」とか、嬉しい言葉をたくさんもらって…子供の頃から目指していた、「先生」になってよかったと、心からそう思うのです。

正直言って、教育の現場は、わたしが先生を目指した頃に比べてまったく変わってしまいました。

子供と心からじっくり向き合いたいと思っても、その時間がなかなかとれない。
仕事が終わってから、「おい、行くぞ」という先輩の先生の誘いに乗って飲みにいって、アルコールで高揚する気持ちとともに先輩後輩関係なく、教育に対しての熱い思いを語り合った…そんな熱のあるおつきあいも、ほとんどなくなってしまって。

時間に追われて黙々と毎日の仕事を流れ作業のように繰り返す。
上からの指示は絶対で、実際に生徒と対していてそれはおかしいと思う指示もたくさんで。
本来はそうではないと思うことも、そうせざるを得ない毎日に自らの心を削って。


うつ病という病気になって、学校という閉鎖的な世界を始めて外から見つめるきっかけを持って、初めてその異常さに気が付くことが出来ただけ、わたしはまだ救われているのかもしれません。

本当に、生徒と向き合いたかったら。
もう学校の中ではムリなんだ。
自分の思いをふくらませて、生徒と頑張っていこうと思っても、あっちこっちでつっかえ棒が飛び出して、思うようには動けない。

「公務員」であることや、「教師」であることが、こんなにも自分の思いを妨げるのだったら。大切な生徒との間に厚い壁を作るのだったら。
そこから、離れよう。。

それがわたしの想いでした。

本音を言えば、もうちょっとこれからの活動に対しての足固めをしてから、という思いがありました。子供たちはようやく2人とも高校生。これから高校大学と、お金がかかる時期でもあり、そこから離れることは経済的にかなりの不安でもあります。

でも、このままいたら壊れるだろう。
今の教育現場には、わたしはもう、はまることは出来ません。
このまま自ら壊れてしまうのだったら、そうなる前にここを離れて自分の出来ることを、生徒たち、特に不登校や心の病みにとらわれて苦しんでいる子供たちのために出来ることを小さくても一歩ずつ、新しく積み重ね始めよう。

そう、思いました。

まだまだ動けるうちに。まだまだ元気なうちに。
今までのたくさんの生徒と、尊敬できる生徒思いの先輩の先生たちから学ぶことの出来たたくさんの宝物が、まだその輝きを失わないうちに。
さらにその宝物に磨きをかけて、もっともっと豊かにみんなと共有できるように。

わたしはわたしの道を、これから試行錯誤しながらも歩いていこうと思います。

今までのわたしを作り上げてくれたすべての皆さんへ。
ありがとうございました。
そして、これからも頑張れるように、くじけないように、ずっと見つめてやってくださいね。

「公立学校教師」としてのわたしは、昨日で終わりです。
けれども、わたしは「先生」ではあり続けたいと思います。

生きてきた上で感じたいろんな気持ちや経験を元に、自分のあとに生きる人たちが1人でも多く自分らしく生きることが出来るために、先に生き、生き生きと生き、笑顔で生き続けていきたいと思っています。

今日が、わたしの「先生」としての、独り立ちの日…なのだと思っています。
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