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女王の教室#4[2005/07/25 23:11] ドラマ・テレビ
真矢は前回のダンスボイコット騒ぎを受けて、指導体制を作る。それはクラスを4人ずつ6つのグループに分け、各グループのリーダーにクラスを乱そうとするものがいないかどうか報告させる、そして何かあったら連帯責任をとらせるというものだった。
和美のグループには由介、ひかるが入り、リーダーという名目で監視役の久子が入っていた。クラスの雰囲気は、ますますぎくしゃくしたものとなる。 図工の時間、和美の「親友」だった恵里花がリーダーのグループで、騒ぎが持ち上がる。新しい財布を持ってきて騒いでいた子を恵里花が注意したところ、その子と他の2名が一緒になって恵里花に詰め寄る。あわやケンカになりそうな時に、和美が絵描き歌を歌って鎮めようとする。しかし、そこに真矢が入ってきて、各班に報告させてところ、恵里花は他のメンバーに睨まれて何も言えず、一方久子が和美が騒いでいた、と報告し、和美の班は連帯責任で図工室の片づけをさせられる。 そんな中、恵里花のグループの財布を自慢していた子の財布がなくなる。大騒ぎになる教室。犯人は見つからず、真矢が「クラスで連帯責任をとりなさい」と言ったところから、お互いに罵りあい、取っ組み合ったりものを投げつけあったりとひどい騒ぎになる。それを静かに見つめる真矢。 実は、財布をとったのは恵里花だった。誰も見ていないか確かめて財布を捨てようとしていた恵里花を和美が見つけて「謝りに行こう」というが、和美は「親友じゃん、和美ちゃんが返しておいて」と押しつける。音楽の時間で全員が教室移動したのを見計らって和美が財布を返そうとしたところを、久子が見て、真矢のもとへ走る。 クラス全員の前で、真矢に説明を求められて「友だちに頼まれたけれど、誰かは言えません」と恵里花をかばったのに、結局恵里花は名乗り出ようとはしなかった。和美は犯人の代わりにクラス全員の前であやまるよう言われる。 そんなクラスに愛想を尽かした由介は、「明日から学校に来ないから」といい、ひかるは「もう、あなたの言うこと、誰も信じないよ」と冷静に突き放す。ひとりぼっちになった和美はしかし、真矢に言い放つ。「私は、泣きません」と・・・。 ああー、苦しいですね。今日の展開見ていて胸が詰まりました。 それは、真矢がひどいからと言うよりも、あまりに、いまの学校や子供の現状を浮き彫りにしているからです。 たとえば、何か先生に注意された時、「ボクだけじゃなくて○○くんもやっていました」と自らの行為を反省せずひたすら罪逃れをする子。表ではいい顔をしていても、裏では陰湿ないじめをしている子。自分は時間を守らないでいて、授業がちょっとでも延びると先生を責める子。自分には関係ないからとしらんふりをする子。何かあるとすぐ人のせいにする子。何かやっても黙っていて結局うやむやになってしまうことも多々あります。 それはまわりでたとえ「悪いこと」見ていても、その事を注意できなかったり、自分が巻き添えくうのが嫌で関わらずにいたり、おもしろがっていっしょにゲーム感覚で楽しむ子があまりに多いからです。 小さい時から、親が叱らない。学校でも、忙しさと体罰禁止などの制約で先生があまり介入できない。そんな中で、心を病んでいくのは和美のように「人の良い」素直な子なのです。 「自由と非常識をはき違える」この真矢の言葉。・・・まさに、いま、学校ではそれが現実に起こっています。 一番怖いのは、そういうことが裏に裏にと潜って真実が見えなくなってしまうこと。 クラスの雰囲気がどっと悪くなって大騒ぎになった時、子供達の心の奥にあった膿が一気に爆発した感じでした。この時、子供達は自分の醜さを一気にさらしています。あれだけのものを心に抱え、お互いに「友情ごっこ」をしていても、ほんとの意味での「団結」心なんか生まれるはずはありません。あの真矢の冷静な笑顔は、その爆発を待っていたとでも言いたげでした。 本当は、視聴者としては、ドラマの流れはそろそろ和美の支援者が増えてくるかなって思っていたんですけど、今回、ますます孤立しちゃったのでそういう意味で苦しかったのです。 でも、真矢が夜、和美一人に声をかけた時、真矢は和美を応援してるのかなと思いました。え?って思う人も多いでしょうけど、和美は、今回家の状況も加わって、ますます悲しみの中に落ち込んでいます。でも、真矢が声をかけたことでいたたまれない思いが「怒り」に変わりました。「悲しみ」は人をくじけさせますが、「怒り」はエネルギーになります。真矢は真矢なりに和美にパワーを与えているのかも・・・あくまで憶測ですが。 あの、6年3組の姿は、特別なものではなく、「リアル世界」での子供達の姿を描いています。そして、まわりで見ている先生達も、ある意味では「リアル世界」の先生達の姿です。学校という特殊な世界が抱えているたくさんの問題を、このドラマは浮き彫りにしています。 私の夫も私も教員ですが、夫はこの番組は苦しくて見ていられないと言って逃げていきます。私も見ていて苦しいです。でも、私は最後まで見たいと思います。現実の世界が描き出されているドラマで、いったい「学校」はこれからどう進んでいったらいいのか、それをこのドラマが訴えているように思えてならないからです。子供の持つ純真な残虐性・・・それをどう昇華させていくのか。いま、学校や子供達・家庭ではどんな問題が起こっているのか。目をそむけちゃいけない気がします。ドラマの展開を見ながらいろいろ考えることで、教師としての自分がこれから子供達に何をしてやれるのかが見えてくるような気がするのです。 いままでの学園ものは、あくまで「ドラマ」としての「あこがれの世界」を描いていました。理想の先生、理想の生徒、熱い青春、固い友情・・・でも、どんなに熱く叫んでも届かない奥底があるのです。「現実」から目をそむけずに「現実」について悩み、考え、議論する・・・真矢反論も結構、和美擁護も結構。もっと怒っても良いと思います。それがそのまま「いまの教育」「いまの子供」「いまの世の中」についての皆さんの思いになるのですから。 さいごに、今日、森薫さんの漫画、「エマ」を読みかえしていたら、真矢と同じような言葉が出てきました。「自由と無秩序とは違う」・・・いろいろ含みのある言葉だと思いました。 女王の教室ーもっと議論を 第3回感想 第2回感想 第1回感想 女王の教室 公式HP スポンサーサイト
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